うつの薬剤師がやってきた!

先月から、うつ病の薬剤師が
僕の部下として配属になりました。しかも大分年上!
脳梗塞により倒れて以来、
再発が不安でうつ病になったそうです。
脳梗塞の後、今回が2度目の復帰でした。

初めて店舗に挨拶に来たときは正直
「これは現場復帰はまだ早い」と
思いましたが、翌週から勤務することは
覆すことはできませんでした。


帰宅後、いろいろ考えました。
「うちの店舗で何とか復活させてあげたい!」
そう思うことができました。


そのために考えた作戦はこうです。

1、目標は休みながらでもいいから、
  休職せずに長く勤めること。
2、まずはできることから。
  仕事の範囲をはっきりと決めてあげること。
  最初はピッキングだけとする。
3、こっちから「大丈夫ですか?」「休んでていいですよ」と
  声をかけない。
4、具合が悪いときはハッキリと言うこと。
5、その人が遠慮したり、ムリをすること事態が、
  僕の負担になることをハッキリいう。

こんな感じ。

1、は例えばある日、体調が悪くて休んだとしても、
『明日のために、来週のために体調を整える』と思えると考えました。


2、は仕事の範囲が決まってないと
他の人と同じことをしなければならない
というプレッシャーが生じると思ったので、
自分はコレだけやっていればとりあえずいいんだ
という安心感を与えるために考えました。


3、はこっちが声をかけると、本人が気を使われてると思ってしまい、
余計な負担をかけると思ったからです。週末に一回だけ
「どんな感じですか?」とだけ聞いています。
具合悪そうにしてても一切声はかけません。


4、は3、に似ていますが、こっちがその人の体調を気にすると
「大丈夫ですか?」と声をかけなければいけません。だから、
自分からハッキリと体調を伝えてもらうようにお願いしました。


5、はその人が、僕に負担をかけてると思うこと事態が
その人の負担になると思ったので、「あなたのことで
余計な気を使いたくないから、あなたも変な気を使わないでください。」
と冷たいし、厳しいとは思いましたがハッキリと伝えました。
それが、その人のためになると思ったからです。


今は、すごくがんばっていて、
最初は休むときもありましたが、今は全然休まないし、
いつも笑顔でいますし、自ら投薬にもいきます。
かなり復活モードですが、まだ不安定な部分があるようなので
ムリをしないようとだけ伝えています。


友人にこのことを話したら、
「その人の人生を変えたね!」と
言ってくれました。


最初に「うちの店舗で復活を!」と
思えて本当によかったと感じます。

アメリカの薬局がどのように利益をあげているか

先日のアメリカ研修の続き・・・。

薬局経営の話を聞くことができたので簡単にまとめる。
ここでいう薬局は日本でいう調剤薬局とかドラッグストアとかのこと。


利益を維持するためには


①製品(OTC?)のマージンを厚くする

②処方せん枚数を増やす

③患者様を逃さない

④薬剤の購入コストを下げる

⑤生産性を高める


といったことが重要であるとのこと。
これは日本でも一緒。

保険会社が民間であることは有名。
民間であるが為に保険会社からの収益は
薬局の営業努力で上げることができる。
日本は?調剤薬局だと処方箋枚数を増やすか?
薬剤購入費を下げるか?技術料を取りまくるか?


アメリカの話に戻すと、営業努力とは
例えば開局している時間が長い、(日本もそうなるね)
疾病状況を管理するプログラムを有している
など様々な店舗特性により保険会社から
収益を上げることができる。
ここが日本と違うところ?


保険会社はなるべく良質な医療機関と契約することで
患者様に選んでもらえる。
それは、保険会社が契約している医療機関しか
患者様は利用することができないから。
その為に、良好な医療機関には高い収益が与えられるという仕組み。
WIN!WIN!


このようなシステムで、患者様は良質な医療を受けることができ、
それを与える医療機関は保険会社から収益を得ることができ、
良質な医療機関と契約をしている保険会社は患者様(顧客)が増える
といった、すべての人が得をするようなループができる。
WIN!WIN!WIN


こういったシステム作りが、それぞれのモチベーションを上げていき、
全体が活性化しているのがアメリカ。


なにかヒントになれば幸いです。

アメリカの薬剤師と日本の薬剤師について

昨年10月にアメリカに行き、
薬局を見学したりドラッグストアを見学したり、
ナーシングホームを見学したりしてきた。
そこで感じたことをそのまま書いてみる。

アメリカの薬剤師は尊敬する職業の上位に位置することは有名。

なんとなくイメージとしては日本の薬剤師が劣っているように感じてしまうけど、
日本の薬剤師も負けてはいないように感じた。


ある薬局での、糖尿病の食事療法等の指導について。
その薬局では相談スペースがあり、
なんだか特別に食事指導をしているように言っていたけど、
内容を聞くと、それは僕たちが普段、薬を渡す際、
必要と感じたときに指導する食事指導レベルだった。
その内容でお金を取り、患者様に信頼を得る。

もしかしたら、勉強熱心な日本の薬剤師ならそれ以上の指導をしているかも。


日本の薬剤師(調剤薬局)は患者様が来る度に、
「何か問題点はないだろうか?」「副作用は出ていないか?」など、
できるだけ確認を取るように努め、問題解決を図る。
でも、アメリカでは上記の糖尿病の食事のように
患者様からの要望がない限りは
薬剤師から患者様への一方通行な指導が基本。


日本では患者様からのこのような要望は少なく、
アメリカの薬剤師と同じレベルの指導をしても
特に大きな信頼を得られるのはごくごくマレのようように感じる。
この違いは、アメリカ人と日本人においての
セルフメディケーションへの意識の高さの違いだと感じた。

これは決して薬剤師のレベルでなく、
患者様のレベルの違いだと感じた。
まぁ、患者様のレベルを上げる(教育)のも薬剤師の能力だから
その点では、薬剤師のレベルとしては劣っているのかもだけど・・・。


薬剤師としての質としては同等だと思ったし、
実際やっていることは、アメリカ以上だと感じた。


患者様の健康への意識、病気や薬に対する意識を向上させることで、
薬剤師の力を今よりも発揮するチャンスが増えて、
日本でも信頼される職業の上位に薬剤師が位置づけられてくるのでは?
もっと自分で、患者様から必要とされるように努力しなきゃダメだな。
反省。


患者様の質は薬局の質でもあると普段から思ってるから、
患者様への教育が自分自身の社会的な質を上げることになると感じた。


今回は「調剤薬局」としての比較だけど、
アメリカの薬剤師にはAmCare pharmacistとか
Consultant pharmacistとかCommunity pharmacistとか
たくさん尊敬できることがたくさんあるんで
それはまたの機会に。

食道がんのStage別治療方針

食道がんの患者様はあんまり調剤薬局には

来ないように感じる。Stage別に治療方針を調べると



●Stage0/Ⅰ 
・ESD(内視鏡的粘膜下層切開剥離術)
・外科手術
・根治的化学放射線療法    ※根治的化学放射療法とは基本的には
                     5−FU+CDDP(シスプラチン)+RT(放射線) のことを言う。   

●StageⅡ/Ⅲ(non T4:周囲組織に浸潤なし)
・術前補助化学療法+外科手術
・根治的化学放射線療法           


●StageⅡ/Ⅲ(T4/M1LYM:浸潤あり/リンパ節転移あり)
・根治的化学放射線療法


●StageⅣB
・全身化学療法
・緩和目的化学放射線療法(狭窄例)



こんな感じ。

ということは、基本的には食道がんの患者様は調剤薬局に来ないってこと!?

支持療法の処方くらいは来るか・・・。

次は胃がんについて考えます。

2/21の、ティーエスワンとシスプラチンの併用療法も出てくるだろうなぁ。

ティーエスワンの処方について

ティーエスワンといえば、4週投与の2週休薬(4投2休)が原則。

専門病院では、2投1休という処方の手段もあり、要は1クール6週の中で4投2休を守るような処方であればOKという考え。

その中で今日、21日分処方というのを受け付けた。患者様は初めて服用するが、次回の服用は28日後とDr.からはしっかりと指導を受けてきている。

「28日投与で14日休薬なので28日分の間違いでは?」と疑義照会するか?シスプラチンとの併用では21日投与の後、1週休薬でまたS-1投与という療法があるためそのままで投薬か?

今回は患者様のその他の話からシスプラチンとの併用と判断しそのまま投薬。(まぁ、他の薬剤師が投薬したから休憩から戻ったらすでに投薬し終わっていたんだけど)調剤薬局では、カルテを見ることができないので、毎日ヒヤヒヤです。